h22課題分析「小都市に建つ美術館」
■課題名
「小 都 市 に 建 つ 美 術 館」
要求図書
●平面図兼配置図(縮尺1/200)
●平面図(縮尺1/200)
●断面図(縮尺1/200)
●梁伏図(縮尺1/200)
●面積表
●計画の要点等
■美術館の背景
以前平成5年に地方都市に建つ美術館が出題されて以来の美術館出題となりました。
当時は、一都道府県に一美術館を建てることがひとつの眼目であった頃でした。
それ以降、近年に至るまで箱物行政への批判が強く、
またコンクリートから人へ、なんてフレーズが流れたりしていました。
しかしその一方、美術や文化などへの憧れというか観光資源としての美術館への期待度は依然大きく、
直島や金沢、富弘美術館みたいに国際的に注目を集められるような施設が誕生したりしています。
そういった意味で、美術館というのは建築的な可能性を感じさせてくれる建物種別だと言うことが
できるでしょう。
「小都市に建つ」ということですから、地域の観光資源になるようなもの、
そして文化拠点として位置付けられるものが求められると考えられます。
■美術館としての出題のポイント
機能的には明快かつシンプルな構成の建築ですから、明快なゾーニングや
動線に絡まる出題が可能です。
1)公開部分-非公開部分
一般利用者が入り込める公開部分と管理者、研究者しか入れない非公開部分
にゾーニングすることができます。
公開部分には、共用部、展示部門、教育系部門、レストランやショップ系の
サービス部門 があります。
非公開部分には、管理部門、収蔵部門、調査研究部門などがあります。
2)有料-無料・・・課金ゾーニング
学科製図.comの課題では、過去問題として多く出題されているタイプなので
すが、有料-無料なのか、という課金ラインを明確に仕切る課金ゾーニング
があります。
3)常設展示と企画展示
常設展示は、所蔵している美術品を常時展示する展示方法で、企画展示は、
ある企画を行う際に新たに展示物を別の美術館等から集める展示方法です。
常設展示は無料のことが多く、企画展示は有料である場合が多いですが、
これも美術館のコンセプトや考え方によって異なります。
4)明快な搬出入経路と施設の確保
公共施設として、最も他の建物と異なる部分のひとつは、搬出入経路が必要
なことであろうと思います。またバックヤード、トラックヤードと呼ばれる
部分や収蔵庫、保管庫などのストックヤードが必要になり、その面積割合も
非常に大きいことが特徴的です。
5)参加型VS鑑賞型
最近の美術館は、単に美術鑑賞だけではなく、様々なワークショップ(実習)
を展開しています。当然、そういった学習参加型、実習型の諸室が盛り込ま
れる可能性があります。
■試験としての出題のポイント
1)基準階型ではない=図面は4面とすると2階建て。
階数は用紙の都合上、2階建てとなります。イメージとしてはh6、h12、h17が
その趣を持っています。
2)大空間と梁伏図
美術展示室は、集会系ではないため、原則、空間に柱があってもかまいません。
しかし、そこは試験ですので、柱を立てさせない仕掛けを組んでくる可能性が
あります。とするとその部分と梁伏図は密接に絡んできますので、試験として
は大きなポイントになります。
3)敷地条件をひねってくる出題
h5でもそうでしたが、2時間で考え得る美術館となると非常に機能も考え方も
限定されるわけで、かなり平易な出題にならざるを得ないんです。本当は、
美術館自体はそんな柔なモノではないのですが、そうならざるを得ない。
とすると敷地条件でひねってくるしかないというのは十分予想される事態で
あるといえます。(h5では変形敷地+池が出題されました)
4)建築の諸元VS全体のボリューム
例えば、収蔵品数や来場者数を規定して、そこから各室の面積を割り出させる
出題=つまり、建築計画のための諸元を与えておいてそれを計算し、個々の室
から建物を積み上げていく方法(私たちはネットと呼んでます)での出題、
もしくは、全体の建築面積が与えられていて、それを要求室で按分していく出題
(これをグロスと呼んでいます)のどちらでくるのか。
h21はどちらかというと後者でした。本年度はどうでるのか。
5)1階が30コマ以上か以下か。
計画的には、恐らく2階建てなので、1階はかなり広めになり、通常試験の標準
としている6コマx4コマ=24コマではなく30~36コマで出題されるはずなの
ですが、梁伏図が出題されるため、レイアウト上、縦に2平面入らねばならない
はずの部分が30~36コマだと入らないんですよね。そういった制約からプラン
が限定される可能性があります。
■これからの動き。
本日、課題が発表されてからインスパイアされる部分をつらつらと書いてみま
したが、これからどんな学習をすべきでしょうか。
<美術館を観るべし>
まず、お近くの美術館に行ってみましょう。図面は必須です。
できれば、館の方にお願いして、ある程度、裏方もみせてもらうといいでしょう。
(そのためには、建築研究会なんて名前でグループを作って、正式に申し込むのがよいです)
規模的には2000m2程度の建物で2階建てをおすすめします。
個人美術館だと1000m2以下であることが多いし、県の美術館だと3000m2以上なんですよね。
そういう意味ではちょっと難しいかもしれません。
<機能を押さえるべし>
美術館の機能はそれほど複雑ではありません。
弊社通信添削にも付属するエスキース読本等でしっかり押さえれば十分です。
<エスキース手順の理解>
計画をまとめるためのエスキースは、新制度になって随分変わっています。
その手順については、しっかり理解を深めておく必要があります。
<計画パーツの構築>
美術館用の計画パーツを集めては、使えるような状態に仕上げておく必要があります。
<3時間製図、1時間計画の要点>
3時間での作図、そして計画の要点を1時間で書けるよう練習しておく必要があります。
本日の課題分析をベースにしつつ、この5点にフォーカスして練習していけば合格することができると学科製図.comでは考えています。
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2010年07月26日






