h21課題分析
■課題分析
類似課題はh10「多目的ホールのある事務所ビル」以来11年振りのオフィスビルとなりました。
当時とはオフィスビルに係わる要件が変わった部分と全く変わらない部分がありますから比較することはちょっと難しいかもしれませんが、今年も公共施設ではなく、商業施設なのか?という想いがあります。
私自身、一級建築士たるものその登竜門としてはコミュティ施設なんかを出題して欲しいと思っていますし、また、公共施設を計画する経験の重要性を考えると、そうあるべきだとも思うのですが、もう時代が、新たな公共施設と言うよりは、民間施設、商業施設へシフトしているのかもしれませんね。
さて、課題分析に入りたいと思います。
□課題名分析
課題名は「貸 事 務 所 ビ ル」
(1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画する。)
ということで、賃貸オフィスですね。自社ビルではありません。
また1-2階に仕掛けがあるのではなく、
1階が展示用貸スペース
2階からが基準階で一般事務用貸オフィス
です。
□要求図面
要求図書
●1階平面図兼配置図(縮尺1/200)
●基準階平面図(縮尺1/200)
●断面図(縮尺1/200)
●基準階梁伏図(縮尺1/200)
●面積表
●計画の要点等
(注)要求図面に新たに図示させるもの
・耐力壁等の位置、柱・梁等の断面寸法
・設備機器等の位置、設備シャフト等の位置
要求図面にも2階平面図はありません。
その代わりに基準階梁伏図が1/200で含まれています。
また断面図はあっても図面としての矩計図は要求図面の中には入っていません。
加えて要求図面に新たに図示させるものも明記されています。
・耐力壁等の位置、柱・梁等の断面寸法
・設備機器等の位置、設備シャフト等の位置
これを観る限り、
耐力壁=RC系?
柱・梁等の断面寸法=梁伏図に描かせるのでしょう。
設備機器等の位置を描く=機械室は1階の可能性大
設備シャフト等の位置=PS、DS、EPSが考えられます。
この記述を信じれば、本年は矩計図は出題されないことになっています。
■総合的かつ平均的な課題
1階が展示場、2階以降が基準階で何のゾーニングや動線の問題
になるのでしょう?おそらく大した問題にはならないでしょう。
構造的には、従来のRC造だけではなく、SRC、S、CFT造及びそれらの
混構造まではやっておく必要があります。
設備的にも、空調方式には選択肢があり、様々な知識をもっておく必要
があります。
また、それらを計画の要点と称して、文章でも表現できねばならず、
全体的に、建築計画、構造、設備についてバランスの取れた総合的かつ
一般的な知識が必要になると考えられます。
ただ知識はまんべんなく持たねばならないし学習しなければならない面が
ありますが、課題の難易度としては非常に平均的な総花的な出題の印象が
強く残ります。考えさせるというよりは、試験日までしっかり暗記を強い
るようなタイプの学習が必要になるのではないでしょうか。
7月1日の具体的な対応で懸念されていた意匠的なデザインの差や機能性の
差はこのオフィスビルの課題では出にくく、図面量も例年に比べると少な
めになると考えられます。
試験対策的には実際、どこで合否が分けられるのか、その分水嶺は非常に
曖昧な感じがします。
■まとめとして
1)建築計画として大きな差異が出るような課題ではない。
2)建築計画、構造、設備についてまんべんなく学習することが必要。
3)建築計画については、周辺環境や敷地条件に注意。
またコアパターンについては全パターンの理解と暗記は必須。
レンタブル比についてもその理解が不可欠。
4)構造計画については、木造以外の全構造について学習が必要。
5)設備計画については、その容量と方式についての学習が必要。
というところでしょうか。
考えさせるよりは基礎的な知識をまんべんなく有していることを
確認するための課題となりそうです。
文責:平成21年7月24日18:50 学科製図.com主宰 曽根 徹
2009年07月24日






